サステナビリティ
ステークホルダーへの書簡

グループのサステナビリティ活動のパフォーマンスを確実かつ継続的に向上させるために

OTBグループのサステナビリティ戦略は、とどまることなく発展、改善を続けています。そして毎年、マテリアリティ分析を実施し、グループ内外のステークホルダーにとって重要な問題や、私たちを取り巻く世界で生じている急速な変化を特定しています。 こうしたアプローチの結果、当グループはサステナビリティをグループの活動に効果的に統合するとともに、毎年具体的な目標を設定し、それを実現することが可能となっているのです。

サステナビリティとは私たちの精神であり、私のビジネスビジョンにおいて最も重要な価値観のひとつです。持続可能な開発は、人工知能やブロックチェーンのような技術革新やテクノロジーとともに、ビジネスへの現代的なアプローチを推進するものであり、今後ますます重要になるでしょう。

このビジョンに基づき、私たちはサステナビリティ戦略「Be Responsible. Be Brave.(責任を果たす。勇敢である)」を掲げ、これまで以上に飛躍的な成果を上げるべく日々取り組んでいます。

OTBの第4回サステナビリティ・レポートに掲載されている、2024年に達成した目標について大変誇りに思います。これらは、OTBグループ7,000人の従業員の努力の賜物であり、私たち全員が共有する精神の賜物です。

以下のページでは、この1年間のOTBの歩みと、今後数か月間から数年間に向けての課題と目標を詳述しています。

環境面では、2023年比で排出量を31%削減し、欧州と北米の全拠点で再生可能エネルギー由来の電力を100%使用しています。

サステナビリティに取り組むOTB全従業員のチームワークと、各ブランドがそれに向かって行動していることを目の当たりにすると特に嬉しくなります。現在、すべてのブランドのコレクションにおいて望ましい素材の使用が大幅に増加し、購入素材の4分の1以上が環境負荷の少ない素材となりました。これはOTBが加盟するファッション協定(The Fashion Pact)の要求に先駆けて達成した目標です。また、グループ各ブランドのチームに対するトレーニングにも投資し、組織の全レベルでビジネスに対する責任あるアプローチを推進しています。

サーキュラリティの成果という点では、Dieselがサステナブル・ファッション・アワードにおいて、イタリアファッション協会とエレン・マッカーサー財団からサーキュラー・エコノミー賞を受賞しました。これは、国連工業開発機関(UNIDO)との継続的なコラボレーションのディーゼル・リハブ・デニムと、ディーゼル・セカンドハンド・プロジェクトの拡大が評価されたものです。また、英国王チャールズ三世陛下によって設立された「持続可能な市場のためのイニシアティブ ファッションタスクフォース」に参加したことを大変誇りに思います。このイニシアティブは、持続可能性をグローバルな価値創造の中心に据えることを目的としており、業界全体に利益をもたらすファッションブランド間におけるコラボレーションの優れた例となるものです。

私たちの業界を本当の意味で変革させるためには、サプライチェーンにおける全てのパートナーとの協力関係が不可欠だと確信しています。大企業としての私たちの役割は、サプライチェーン全体をより責任あるビジネスモデルへと導くことであり、サステナビリティに関する明確なガイドラインを示すと共に、イノベーション、財政支援、可視化のためのツールを提供することです。このため、私たちは2013年にC.A.S.H.プロジェクトを立ち上げ、最も優良なサプライヤーに有利な与信条件を提示しています。2024年、このスキームプログラムの下で行われた支払い額は6億ユーロを超えました。私たちはまた、「M.A.D.E.、Made in Italy, Made Perfectly」キャンペーンにも投資し、イタリアのラグジュアリー・サプライチェーンの素晴らしさと、イタリアを世界で唯一無二の存在にしている職人技を紹介するドキュメンタリーを制作し、権威ある映画賞を受賞しました。

ひとつの組織が創造し、生産、販売、回収、そして創造した価値の一部を必要としている人々に還元するという循環型ビジネスモデルについての私のビジョンにおいて、OTBファウンデーションはきわめて重要な役割を果たしています。今年もまた、OTBの誇りであるこの財団は、イタリア国内のみならず世界中で増え続ける女性や子ども、若者などの社会的弱者を支援し、素晴らしい成果を残しました。2006年の設立以来、OTBファウンデーションは380のプロジェクトを実施し、38万人以上の人々の生活に好影響を与えてきました。2024年からは、イタリア国内の全従業員 をボランティアプロジェクトに参加させ、彼らの労働時間700時間以上をグループとして捧げています。

こうした結果を残せたのは、明確な戦略と全チームのコミットメントのおかげであると考えています。私たちの業界にはまだ長い道のりがあり、そのペースを変えなえればならないことは承知していますが、正しい方向に進んでいます。

私たちにとって、サステナビリティとは単なる目標ではなく、日々の意思決定の指針となる考え方であり、行動そのものなのです。

Be Responsible. Be Brave.!

–Renzo Rosso

マテリアリティ分析

マテリアリティ分析は、バリューチェーン全体にわたり、グループ内組織が引き起こす影響、あるいはその原因となる影響、または直接関係する可能性のある影響の分析によって、OTBグループにとってもっとも重要で、関連性の高いトピックを特定するために役立つものです。